「痛覚変調性疼痛」検査しても分からない痛みがあります。
皮膚や筋膜には痛みを感じるセンサーあります。
そのセンサーで感じた刺激は神経線維・神経細胞を伝わって脳の感覚野に届きます。
従来、痛みには大きく分けて2種類あるといわれていました。
①痛みセンサーを刺激して感じる痛みは
・・・「侵害受容性疼痛」
例:切り傷や打撲などケガで皮膚や筋肉が傷ついた場合
②痛みなどの感覚を伝える神経細胞や繊維が傷ついて起こる痛みは
・・・「神経障害性疼痛」
例:手術や事故、脳卒中の後遺症で神経線維・神経細胞が傷ついた場合
しかし、最近この二つに当てはまらない痛みがあるという事が医学界でも認知されるようになってきました。
それは、CTやMRIの画像診断や血液検査でも全くの異常がないに実際に感じられる痛みです。
第3の痛みともいわれる
「痛覚変調性疼痛」です。
痛みの信号は皮膚などから神経を伝わって脊椎(背骨)に入り、脳に伝わります。
脳の中で痛みを伝える神経のルートに異常がおこり、痛みを強く感じるようになるのです。
この痛みは、痛みへの不安・恐怖・ストレスなどの心理的な影響が大きく関係していると言われています。
この「痛覚変調性疼痛」は従来の痛みが長引いた時にも起こるといわれています。
痛みが長引き、不安・うつっぽい・怒り・人間関係のストレスなどが加わると、
痛みを感じる神経のルート上に異常がおこってしまうのです。
身体の痛みに対しては、脳から
「下行制抑制系」と言われれる痛みを鎮める働きがあるのですが、
痛みが長引いて、ストレスや不安を長期に感じていると
この痛みを鎮める脳の働きが上手く働かなくなってしまうのです。
痛みは長引かせないようにすることが重要です。
痛くて動けない状況から、
痛みがあるけど動かせる
↓
痛みが減ってきて動くのが楽になってきた。
↓
痛みが時々あっても気にならなくなってきた。動いても痛みがあまり気にならなくなってきた。
このように、痛みが減って動かせるようになることが大切です。