脳卒中後遺症の症状の一つに「痙縮(けいしゅく)」があります。
Q1、痙縮で手足が痛いです。自分で出来る事はありますか?
A1、基本的な方法の一つは、麻痺側の血流が悪くならないようにすることです。
これから冷房の季節にはいります。麻痺側は感覚が鈍くなっているため、
手足が冷房の風に当たっていても気づかないケースがよくあります。
着るもの羽織るものなどで工夫する事は重要です。
Q2、どうして麻痺側の血流が悪くなるのですか?
A2、筋肉には「筋ポンプ作用」といって筋肉が血管を刺激して
血流を促す働きがあります。
麻痺側の筋肉は「筋ポンプ作用」が低下しているケースが多いので、
麻痺側の血流が悪くなることが多いのです。
Q3,手足の血流が悪くなるとどうして、痙縮に良くないのですか?
A3、手足の血流が悪くなると手足の様々な感覚のセンサーの働きが低下し、
手足から脳への情報が届きづらくなっている可能性があります。
手足から脳に情報がうまく届かないと、
脳からの手足を動かすための神経の働きも低下してしまいます。
そのため、筋肉の動きも悪くなると考えられています。
Q4、痙縮はなぜ起こるのですか?
A4、筋肉を傷めないようにするための「伸張反射」という仕組みがあります。
脳卒中になると、脳の中のダメージを受けた場所の関係で、
この伸張反射が興奮するケースが多いと考えられています。
伸張反射が必要以上に興奮することによって筋肉が縮みやすくなり、
痙縮が起こると考えられています。
Q5、痙縮を軽減させるにはどの様な方法がありますか?
A5、手足へのアプローチも大切ですが脳の働きへのアプローチが目標です。
弊院で行っている取り組みは、
・YNSA®(山元式新頭鍼療法)という頭皮にある全身に対応したツボに鍼をする。
・頭皮に鍼をしたまま、手足に鍼をする。鍼電極低周波療法を行う。お灸を行う。
・動かしたい筋肉に刺激をいれながら、反復して運動療法を行う。
などです。
脳卒中後遺症の方の日常生活動作の改善には、痙縮の軽減は大きなテーマになります。
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参考図書:病気がみえる、脳・神経、医療情報科学研究所