痙縮(けいしゅく)について。※脳卒中後遺症の症状のひとつです。
脳卒中になると運動機能障害、感覚障害などさまざまな後遺症の症状があります。
その後遺症の症状の一つに「痙縮(けいしゅく)」があります。
麻痺側の手足の筋肉が異常に緊張してしまい、
・手を握ったまま開けない。肘が曲がって伸びない
・膝が伸びたままで曲がらない。
・足裏が内側を向いた形で固まってしまう。
など日常生活の動作に大変支障がでてしまう症状の一つです。
寒くなってくると筋肉の緊張が強くなり、痛みを伴うケースもあり辛さから、
気持ちの落ち込んでしまう事もあります。
痙縮はどうして起こるのでしょうか?
身体の仕組みの中に、伸張反射(ストレッチ反射)と言って身体を守る働きがあります。
これは筋肉が急に伸ばされたりした時に、必要以上に延ばされないよう筋肉が縮んで壊れないようにするための仕組みです。
この伸張反射を抑制する働きと、興奮させる働きがありバランスを摂りあって身体は動いています。
脳卒中になると、この伸張反射を抑制する働きのルートが障害を受ける事が多いと言われています。
このため伸張反射が興奮する働きが強くなり、筋肉が緊張して縮みやすくなると考えられています。
痙縮をゆるめる、硬くなった関節を柔らかくするヒントはいくつかあると考えられています。
自分の意思で動けるようになるためには、痙縮の軽減は大きなテーマになります。
参考図書:脳卒中の動作分析、金子唯史、医学書院